現代社会においてアレルギーが増えている理由

              ― 清潔社会 ―  若大将の一考察(2009年4月)

近年、急激にアレルギーでお悩みの方が増えているのはご案内の通りです。
そして、今有力な説として、現代社会が清潔になり過ぎたから・・・と言われています。

昔は、これほどまでにアレルギー疾患の方がいなかったというのもありますし、
後進国や、農村部に少ない・・・それは大規模調査によっても分かってきているそうです。

しかし、反面、乳幼児の死亡率は清潔社会になったおかげで少なくなったのも事実で、
専門家の間にも、清潔社会が悪いと言っている人はいません。

具体的には、エンドトキシンという毒の量が数値的に表しやすいそうで、
これが少なくなった現代社会は清潔社会という考え方で説明されているようです。

ざっくり言えば、エンドトキシンが多かった昔は、アレルギー疾患の患者は少なかったのですが、
乳児死亡率も高かったということです。

つまり、「アレルギー疾患が増えることがあっても死亡率が高いよりも良い。」
これが専門家の意見のようです。そして、今からは、アレルギーがあってもそれを標準体質として
受け止め、アレルギーと上手に付き合っていくのが良いという見解です。

私も同感で、後進国の子供たちの環境は決して良いとは言えず、命を落とす子の映像等は
見るに堪えません。

また、アレルギーというのは遺伝する確率が高いことも周知の事実ですが、アレルギー体質の
家系ではないのに、アレルギー予防として過度の清潔環境を整えるというのは無意味という
考え方もあります。

さらに言えば、将来アレルギー症状が出やすい体質か否かは、乳幼児の時点でほぼ決まるそうです。
その根拠は、ヘルパーT
細胞とT細胞の割合が乳幼児の時に決まり、その割合が将来も基本
になるという説です。

分かりやすく言えば、乳幼児の時に過度の清潔環境にしてしまうと、将来アレルギー症状が
出やすいといわれ、昔の人がよく言っていた「幼児までに泥んこ遊びもさせないと強くならない。」
という俗説も説明が付くことになります。

しかし、ここで誤解が無いようにお願いしたいのですが、一旦アレルギー疾患が出てしまったら
そのアレルゲンを避けるような環境に整備しなければいけない!ということです。

結論としてまとめますと、(アレルギーの家系でもないのに、)アレルギー予防の為に
過度に清潔環境を整えるというのは必ずしも正解ではなく、むしろ・・・
一旦、アレルギー症状が出てしまったら、アレルゲンを排除するために清潔な環境を整える!
こう説明するのが1番わかりやすいと思います。



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